POPPER MAGAZINE #03
栗原 稜
野暮
栃木県佐野市出身在住、作家。 建築学部卒業後は大工経験を積み、2024年から野暮として活動開始。 家具制作の他、店舗什器、内装設計施工、空間装飾、グラフィック・プロダクトデザインなど幅広く制作活動をしている。

今の活動をはじめたきっかけを教えてください。
栗原: きっかけは、二年前に地元の栃木県佐野市に戻ってきたことでした。
富山の大学で建築学部を卒業して、大工として就職し、一年ほど働いていました。 ものづくりは小さいころから好きで、祖母とテレビを見ながら「家を建てるっていいなあ」と思っていました。幼稚園年長の文集に「建築士になりたい」と書きました(笑)。

栗原: 大工になろうと思ったのは、設計課題などでパソコンを触っている時間より、椅子を実際に作ったり小屋サイズの建物をみんなで制作するような、身体を動かす時間の方が好きだと気づいたからです。
地元に帰ってきてからも、ものづくりは辞めたくなく、バイトをしながら続けることにしました。
ある日、父から「取りにくぞ」と声をかけられ、父の友達の車工場に向かい、放置されていた木材をもらうことができました。そして、佐野に帰ってからはじめて一脚のスツールをつくりました。

栗原: まだ誰も見たことがないようなものを、自分のアイデアで形にしていく行為が楽しく、心がすごく自由になったことを覚えています。特に誰かに依頼を受けたわけではなく、純粋に作りたい気持ちから生まれたスツールでした。
それから、「野暮」という屋号を掲げることになり、イベントや展示を本格的に始めたのは去年の3月からでした。六本木のCommonで開催した共同の展示&ライブ「GLOW」というイベントで、自分のプロダクト販売をはじめ、ライブステージの制作やフライヤーデザインも担当しました。
「GLOW」は、隣の群馬県でニットの廃材を生かした制作をしているMebukiの小田くんに声をかけてもらったのですが、そうやって地元でのつながりから少しずつ依頼が増えていき、その延長線上で野暮が生まれることになりました。

印象に残っているイベントや出来事はありますか。
栗原: 自分の作品を見た人から「生き物みたい」「動物みたいですね」と言われたことが何回かあって、それが印象に残っています。意図していないけれど、椅子の脚を動物の脚、座面を胴体のように見立てられることがある。
ぼくがものを作る時は材料の虫喰い、欠けやささくれを、危険か汚いかどうかの判断でそぎ落としていきます。その結果できる形が、きれいに整えられたものというより、良い意味で「いびつさ」があるような。今思うと、それが生き物らしさなのかもしれません。
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